横浜出身でパリ在住のTomoko Sauvageのソロ作品がベルギーのAPOSIOPESEからVinylとして再リリース。オリジナルは、アメリカの実験的なレーベルのand/OAR 傘下にあるeither/OAR より2009年にCDとして発売された作品。 水を入れた陶器の器を竹の棒で叩いて音を出す南インドの打楽器にヒントを得て、水を張った陶器のボールの中にハイドロフォン(水中マイク)を沈めて、水滴が陶器のボールに反響する音やボール内の水面の微かな動きを拾い、水のテクスチャーを追求して作られたという本作。木琴やベルのように聞こえるのは全部、水と陶器が生み出す共鳴音。そのたくさんの水の共鳴音と、リアルな水の音が様々な密度で紡ぎ合わされて、曲ごとに多彩な表情を見せている。水彩画のように淡い色調のハーモニーを感じるサウンド・アート作品。
【Biography】
Tomoko Sauvage (トモコ・ソヴァージュ)
横浜市出身、クラシックとジャズピアノの教育を受け育つ。彼女独自の音を探究している時期にテリー・ライリーやアリス・コルトレーン等の音楽を聴く。その頃、南インドのジャラタランガム(※)と呼ばれる、今日では消滅しつつある珍しい伝統楽器に出会う(※)水を入れた陶器の器を竹の棒で叩く打楽器。流動的な素材に魅かれ、水の様々な感触の音色を探りながら、彼女独自の、「エレクトロ・アクアティック」楽器を発展させる。
彼女の作品、コンサートでは、ハイドロフォン(水中マイク)で捕えた、陶器のなかに落ちる雫や、水波の繊細な音と、音楽用電子機器を限りなくシンプルに用いることで、音源である水の音を展開させながら音の風景が紡ぎ出されている。水に触れ、掻き混ぜ、水滴をうつわに垂らすことで、文字通り水と共に音楽が奏でられている。
最近では、スピーカーとハイドロフォンを利用したフィードバックの技術を利用し、水の揺れと共にドローンを生み出す作曲も行っている。 また、美術館やギャラリーでのサウンドインスタレーション作品(陶器と水、さらに氷を組み合わせた作品)も発表している。
氷の塊はうつわの上に吊るされ、彼女の演奏さながら、氷が徐々に溶けるに従い、雫の赴くままに音が奏でられる。GRIM MUSEUMで行われた際の詳細イメージ( Laura Giannetti撮影)がインターネット上で参照可能。LINK トモコ・ソヴァージュは、自然の素材という不安定で流動的な存在を扱う彼女の特有の楽器と、その音楽のもつ特異な速度を追求することで、様々な演奏形態の可能性を引き出している。それはサウンドインスタレーションのように音楽のあいだを自由に行き交い音楽を聴くことさえ可能にしている。
トモコ・ソヴァージュはすでにヨーロッパ、日本、アメリカの様々なシーン、異なった会場で演奏をし、現在活躍の場をさらに広げている。 過去出演コンサート:High Zero Festival (バルティモア、アメリカ合衆国), Electronic Music Foundation (ニューヨーク), Musée du quai Branly; Eglise St-Merri; Les Instants Chavirés (パリ), Festival Electroni[k] (レンヌ、フランス), Pannonica (ナント、フランス), Q-O2; les ateliers claus (ブリュッセル、ベルギー), Störung Festival - Hydrophonia (バルセロナ), Ausland (ベルリン), Festwochen (ウィーン), TEKS (トロンヘイム, ノルウェー), Flussi Festival (アヴェリーノ, イタリア) 等。
www.aposiopese.com
※新品デットストック‼
01. Amniotic Life¹
02. Raindrop Exercise 1
03. Mylapore
04. Making Of A Rainbow
05. Jalatarangam Revisited
06. Raindrop Exercise²
07. Amniotic Life²